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2020.08.31

tomato#5930開発秘話

☆AzzurroTFS”made in japan product”「料理を素材から変える」 vol.1

tomato#5930(トマトコクサンマル)太陽とトマトの国、イタリアの代表的な料理素材である長円形のサンマルツァーノトマト トマトを料理として使うこの国では、水分が少なくて身が厚い、そして鮮やかな赤い色が国民的な調理素材として深く根付いている日本の食生活でトマトといえば、生で食べるどちらかといえば嗜好的な野菜。軽さやフルーティさ、そして糖度を追求したものが多い。生産技術や品種の進歩で、世界が驚くようなスペシャリティトマトの作り手が全国各地に存在し、さらに高いところへと道を極めているあえてこのサンマルツァーノのような身も皮も硬く、ジューシーさに欠ける個性的なトマトを食生活に提案できたらどうだろう?アズーロ食農部門統括プロデューサーのひろさんは、農業大学時代からひそかに抱いていた「イタリア産サンマルツァーノ」の国産化と普及について常にチャンスを伺っていた若い頃在籍していた青果流通マン時代には日本全国の調理トマトを探求したが、その味覚は理想にはるか遠かったその後移籍した都内のサラダバーレストランでは、全国のトマト職人がつくりだすスペシャリティトマトを毎日お客様へとサービスをする日々。情報交換や交流のために多くのトマト職人たちの現場に通った。しかし、調理用サンマルツァーノの答えはあともう少しまでというところで絞り出せなかったその間、トマトの本質を確かめたくて三度イタリアに渡る。三度目の渡航で滞在したのが、ウンブリア州のベットゥーナというちいさな町のぶどう農家さん。ここで家庭の味としてあらゆる場面でトマトに実際に触れ、ある衝撃を受ける。 干したトマトや水煮のトマトがあらゆる料理でまるで「だし」のように使われて、そしてトマトが作り出す酸味、そして溢れ出す旨味は今までどこでも体験したことのない味覚として深く記憶に残った都内のレストラン時代からフリーランスとして独立し、静岡の農家レストランでの野菜生産の業務をすることになる。その中で、オーナーがこだわる露地生産の「地這いトマト」に出会う。シーズン中はあらゆる料理に使い、ドライトマトやペーストを長期保存してシーズン外でもしっかりと使っていた。まさにイタリアでの家庭で「だし」のようにあらゆる料理の味を作り出すあのトマトを国内で実践されていた。 今まで遠ざかっていたあのサンマルツァーノへの情熱がよみがえり、いつかサンマルツァーノを実際に生産するプログラムを立て始める。一般に高温多湿、そして雨の多い日本でトマト栽培は雨の当たらないハウスでするもの、とされている。 また、日本の気候風土に合わせたハイブリッド種が数多くあり、一般にイタリアの品種をそのまま持ち込んでも雨と病気に打ちのめされて商品にはならない、というのが業界の常識であり、チャレンジは困難が予想された。数年前、ひろさんの地元である八王子市内の農業法人で、イタリア系サンマルツァーノを3シーズン育てた。予想通りその困難さに直面しつつも、毎年タネを取り改良を重ね、ある手応えを感じる。 「真夏の焦げる様な暑さも、長く続く雨も、トマトはこの土地とこの気候に順応していくような気がする」2019年に、青果流通マン時代から長きにわたってお世話になっている山梨の果樹農家・高野美夫さんより「ウチの畑で野菜つくらんかね」というオファーをいただく。苗を新しく植えたばかりのぶどう園には、まだたくさんの余白があり、そのスペースで作りたい野菜があればというありがたいオファーであった 数種類の野菜を作付した中で、八王子の農業法人でつくっていたイタリア系サンマルツァーノトマトの苗に余剰があったのでテストをしてみた。 驚きの連続であった。八王子では長雨にさらされることで病気が多発して、シーズン最後までもたないトマトが半分を超える年もあった。それがこの山梨のぶどう園地でつくったものはほとんどロスがなかった それだけではない。着果して色づいたサンマルツァーノの品質は、今まで見たことのないような素晴らしい完成度であったのだ 実際に包丁を入れると、肉厚さが全然違う。そして加熱をすると「化ける」。生ではまったく気付かないコクと旨味が、まさにイタリアウンブリアの家庭でお母さんにいただいたあの味が再現されたのだ !テスト栽培ということで、収量は限定的であったが、販売先からの評価は一様に良好であった山梨県の甲府盆地東部のこの一帯は最高品質のももとぶどうの大産地。シーズン中の晴天日数も全国標準で比べると多く、そして土地の水はけもよい。また8月下旬から9月にかけて、朝晩の気温が涼しくなる頃は昼夜の気温差がトマトの味を最高に仕上げてくれる! この土地にサンマルツァーノを順応させ、あえて露地生産でチャレンジする。 made in japanのサンマルツァーノのスタートであるそして2020年。昨年栽培した山梨市内の、果樹園地の跡地を新たに耕作してサンマルツァーノを作りました。ベースとして漢方薬原料の自然生薬を使った特製堆肥を使用し、多量の雨や長く続く高温乾燥を和らげるために畑全面を草で覆うグランドカバー栽培を実践しました。土地やトマトに負荷をかけずに、それぞれがもつポテンシャルを探り当てる試行錯誤を重ねて、8月終盤にいよいよ初収穫。9月からのリリースを迎えることができましたコクと旨味が凝縮した、サンマルツァーノをぜひたくさんの方々へtomato#5930 トマトコクサンマル2020年産、いよいよリリースです。

※特記事項「サンマルツァーノ種」 イタリア南部の限定地域でしか栽培が許されない「原産地統制呼称 DOP」という認証をうけたものが正しく「サンマルツァーノ」と名乗ることができます。水煮缶でもDOPマークが入ったものは世界中のシェフが本物のサンマルツァーノとして使用しています今回使ったサンマルツァーノ種はイタリア原産の種を使用しましたが、厳密には「サンマルツァーノタイプのトマト」として扱います。原産地へのリスペクトを忘れずに。